ここ数年、自転車事故に関するニュースが増えています。
そもそも自転車は道路交通法上「軽車両」と位置づけられており、原則として車道の左側(路側帯)を通行することになっています。道路交通法第17条の2では、路側帯を通行できる旨や、その際に「歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない」ことが定められています。
歩道を走行できるのは例外で、歩道を走る場合は基本的に徐行し、歩行者の妨げになるときは一時停止する必要があります(条文や運用は最新の行政資料でご確認ください)。道路交通法より抜粋(出典:e-Gov法令検索)
しかし実態としては、歩道と自転車が混在している場面が多く、歩行者との接触が日常的に発生しています。幸いスピードが出ていないケースが多いため致命的な事故は相対的に少ないものの、近年は歩行者に重傷が及ぶ事故もあり、加害者側に高額な損害賠償が認められる事例が報告されています。例えば、重大な後遺障害が残った事案では数千万円〜1億円近い判決例もあります(事案ごとに事情が異なります)。レゾナ銀行+1
こうした背景から注目されているのがいわゆる「自転車保険」です。保険会社によっては専用商品として「自転車保険」を扱うところもありますが、多くの場合は個人賠償責任特約(日常生活での法律上の賠償責任を補償する特約)や傷害保険のオプションなどで同等の補償を付けられるようになっています。自治体によっては自転車保険加入を義務化・努力義務化しているところもあるため(都道府県・市町村ごとに異なります)、居住地のルールを確認することをおすすめします。i-hoken.info+1
主な自転車向けの補償は次の2点です。
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賠償責任補償:他人にケガを負わせたり他人の物を壊したとき、法律上の賠償義務がある場合に保険が支払います(被害者への賠償金や慰謝料、治療費など)。
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ケガの補償:搭乗者本人(被保険者)のケガに対する補償。日常生活中の事故を対象とするプランや交通事故のみを対象とするものがあります。弁護士費用を補償する特約を付けられる場合もあります。MS Ins FAQ+1
「自転車専用商品がない」と感じられるのは、上記の個人賠償や傷害補償が自動車保険/火災保険/傷害保険の特約としてまとめて提供されていることが多いためです。たとえば火災保険の個人賠償責任特約は、自転車事故による相手方への賠償をカバーすることが多く、契約者本人だけでなく配偶者・同居の親族・別居の未婚の子どもも補償対象に含まれる商品が一般的です。ただし補償範囲や条件は保険会社・商品により異なりますので、必ず約款で確認してください。損保ダイレクト
保険料の目安については、補償上限や保険会社によって差がありますが、個人賠償責任特約を付ける場合の年間保険料は概ね1,000〜3,000円程度(補償上限1億円クラスの例が多い)という事例が多く見られます。自転車事故で加害者になったときの高額賠償を考えると、比較的少ない負担で備えられることが多いので、まずは現在ご契約の火災保険や自動車保険に個人賠償責任特約が付いていないかを確認してみてください。みんかぶ保険+1


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