久々のひとり言ですが、今回は何年も前から不思議に思い現実に困っている問題を取り上げてみたいと思います。

題名にもありますが、「保険屋さんが保険に入れない」ということです。
これは、一部の保険屋さんしか悩んでないかもしれませんが、私もその一人です。

まず、保険業界には「保険業法」という保険屋さんが守らねばならない大事な法律があり、日本国民における憲法や刑法みたいなものです。

この中には「きちんと署名・捺印をもらいましょう」とか「嘘はいけません」から始まり「保険代の値引きはダメです」など色んな決め事が書いてあります。

そしてその中に、『構成員契約募集の禁止』というのがあります。

「構成員」というと何だか怖い人を想像するかもしれませんが詳しく言うと「法人の生命保険代理店が、当該代理店及び特定関係法人の役職員に対して第三分野(医療・ガン保険等)以外の保険商品の募集を行うこと」を禁止するとなります。

えっ?もっとわからない!

簡単にいうと『生命保険を販売する代理店(法人に限る)の役職員およびその関係会社の役職員は自分では(医療・ガン以外の)生命保険に入れない』ということなのです。

「え~!自分で自分の保険に入れないの?」と思うでしょう。

その通りなんです。

その人のことを誰よりも知っていて最も有利で最適な保険に入れるはずの保険屋さんが自分で保険に入れないのです。

ただ、これが適用されるのは「生命保険の法人代理店」のみである。

したがって生命保険会社の職員や個人の代理店は自分で設計して自分で入れるのである。

皆さんは「フーン」くらいに思うかもしれませんが、我々保険の営業マンは一件でも多く契約が欲しいのに自分で入れない事ほど悔しい事はありません。

これは「不公平だー!」と思い、以前金融庁に質問をしてみましたが何の返事もありません。

そもそもなぜこんな法律が出来たかというと、例えばあなたの会社もしくは関連会社が生命保険の代理店(販売)を始めたとしましょうか。

そうなると当然あなたの上司、特に部長や課長は皆さんに「保険に入れ」といってきますよね。

うざいですよね。

でもあなたは断れますか?この状況を禁止しようというのです。

しかしこれは、現代の保険業界事情を全く予想しないことから生まれました。

以前は生命保険を販売しているのは、いわゆる「保険のおばちゃん(失礼…例えです)」か
個人で損保の代理店をしている「保険のおじさん」でした。

ただ、現在では保険業界も様変わりして、代理店が『個人』から『法人』形態へと変化しているのです。

何故かというと、保険会社は経費節減のため小さな代理店を無くそうとしています。

そのため各代理店はその規模を維持するために他の代理店と合併したり、吸収したりされたりするしか選択肢がなくなってきています。

その結果、保険の代理店は法人へと変貌し一人っきりでの経営から2~3人規模へと変化しているのですが、この法律はこの事態を想定していなかったのでしょう。

では「法人の保険屋さんはどうやって保険に入っているの?」となりますが、保険業法ではバーター契約(お互いに保険に入って手数料を発生させる事)を禁止しています。

さらにほとんどの保険会社では「同業他社の保険関係者の契約は取り扱い出来ない(積立型商品を除く)」という決まりもあるので、うかつに仲間うちの代理店で入るわけにはいかないのです。

結局のところ、保険会社では代理店や保険ブローカー(保険の仲介人)を通さず誰にも手数料の発生しない『直扱い』での契約を勧めるしかないようです。

これが嫌なら、その辺で歩き回っている保険のおばちゃん(何度もすみませんあくまで例えです…)に自分の身分を隠して入るしかないのかもしれません。