お客さんと保険会社、どちらが選ぶのか

最近は保険会社も外国や異業種からの参入により、把握できないくらいに増えてきている。

こうなると弱肉強食の時代で、お客さんからすると自分が好きな・安全な保険会社を選ぶことが出来る。

まさに「お客さんが保険会社を選ぶ時代」になりつつある。


しかし、私たち現場の立場からすると「本当にそうなのか?」と疑問を抱くことがよくある。

いろいろ選んだあげくに、その人は自分が選んだ保険会社に入っているのだろうか?

もっと言うとその保険に入れたのか?その保険を使えたのか?と思うことがある。



どういう事かというと、「保険」というのは都道府県民共済とは違い民間の組織が営利目的で作ったものである。

したがって誰でも無条件に入れるとは限らず、中には「入りたくても入れない人」が結構いる。

いわゆる「加入審査」に引っかかると、自分の思った通りに保険に入ることが出来ない仕組みになっている。



ただし、その『審査』も基本的には非公開で、ハッキリと「○△…の理由で貴殿は保険に入れません」と明確に言われることは少ない。




例えば、車の任意保険。

恐らくインターネットを見ている人のほとんどは、断られたことなど無いでしょう。

「えっ?車の保険で断られることってあるの?」

そう、現実にそういうケースは少なくありません。


ご存知のように車の任意保険には業界共通の「無事故等級」というものがあり、1等級~20等級まである。

新規で加入した場合6等級から始まり、1年間無事故だと7等級、次は8等級というように1段階づつ進み、最後は20等級まで割引が進む。


では、最初の6等級のときに事故を起こした場合はどうなるのか?

割引の時は1段階づつ進むのに、事故を起こした場合はなんと3段階も等級が下がるのである。

そうなると翌年は3等級となり、料金は割り増し。

しかも6等級で加入し、その年に2回事故を起こした場合は、一気に6等級下がるので等級は1等級となり、その時点で保険会社の引き受け先がほとんど無くなる。


そう、いわゆる「ブラックリスト」に載るのである。


こうなると一定期間はそのデータが損害保険業界で行きかいするので、ごまかしは効かない。

最近は保険会社も慎重になっているので、名義変更をしたくらいでは見破られることもある。

皆さんも事故多発には気を付けてください。


生命保険の場合はちょっと情況は違うが、病気のため保険に入れない人や、条件が付けられる人。

また、保険には入る時に病歴をごまかしたために保険金を受け取れなかった人などもたまにいます。



CMなどで宣伝している裏には、とても泥臭い事実が転がっているのである。

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