善意がクレームに

保険屋さんのひとりごと

皆さんは、保険金請求でトラブルになった経験はありますか?「保険に入っているから大丈夫」と思っていたのに、いざという時に思わぬ落とし穴にハマってしまうケースは、実は少なくありません。今回は、私が実際に経験したお客様対応を通して、保険金請求に関するトラブルと、その背景にある問題点について考えてみたいと思います。

顧客との出会い、そして予期せぬ出来事

ある日お客様から電話がありました。「車が傷ついているんだけど、保険で直せるかな?」という、よくあるご相談です。しかし、今回のケースは、そう簡単には片付けられない出来事の始まりだったのです。

現場に急行し、お客様の車を拝見した時の衝撃は今でも忘れられません。まるで何回事故にあったのか、いたずらでもされたのかというような惨状に、私は言葉を失いました。

保険会社に連絡し損害状況を報告しましたが、保険会社からは「今回は保険は使えません」という厳しい回答がありました。

保険金が下りるケースと下りないケース、そしてお客様の誤解

お客様は、「エコノミー車両保険」にご加入でした。エコノミー車両保険は、保険料を抑える代わりに、補償範囲が限定されているため、今回の事故では、保険金が支払われない可能性が高いということが分かりました。

お客様は、「え?でも、保険に入ってるんだから、直してもらえるんじゃないの?」と、保険に入っていれば、どんな場合でも修理費が支払われると誤解されているようでした。

善意がクレームに?

お客様の期待を裏切るようなことを伝えるのは、とても心苦しいものです。しかし、保険契約の内容を正しく理解していただくために、丁寧に説明する必要があります。

「エコノミー車両保険は、保険料を抑える代わりに、補償範囲が限定されています。例えば、一般車両保険では補償される自損事故でも、エコノミー車両保険では補償されない場合があります。」

種類 主な特徴 補償範囲 保険料
一般車両保険 補償範囲が広い 自損事故、当て逃げ、自然災害など、幅広いケースで保険金が支払われる 比較的高め
エコノミー車両保険 補償範囲が限定的 車同士の事故やガラス破損、一部の自然災害などが補償されます 比較的安価

このように説明しても、お客様はなかなか納得してくれませんでした。契約時には車両保険が限定的であることは説明してますが「そんなこと聞いてないよ」と言われ途方にくれました。

お客様との信頼関係の再構築

この車両の損害は一回の事故ではなく、複数回の事故や出来事により起きた結果なので、保険会社には「その部分の損害ならどうか」と長い交渉を続けた結果ようやくいくつかの損害が認められ、わずかではありますがお客様に保険金をお支払いすることが出来ました。

とても長い時間が掛かってしまい、お客様は喜び半分不満半分のような感じで「別に出ないものを出せと言ったつもりはない」と言われ、私が保険会社に粘り強く交渉したことが仇になった気がしてモヤモヤしました。

保険選びの重要性

保険は、いざという時に私たちの生活を支えてくれる大切なものですが、全てのお客様が契約内容を把握しているわけではありません。

契約時にしっかり保険の説明を聞いていても、時間が経つにつれて忘れてしまうものです。いざ事故にあった時、このケースで保険が使えるのかどうかの判断はつかないこともあるでしょう。

まとめ

保険金請求のトラブルは、お客様と保険代理店の間に深い溝を生みかねません。しかし、丁寧な説明と誠意ある対応によって、お客様との信頼関係を回復することも可能です。

保険選びは、一生懸命働いて得たお金を預けることなので、慎重に行う必要があります。保険に加入する際は、必ず保険代理店に相談し、ご自身の状況に合った保険を選びましょう。

おわりに

このブログが、皆様の保険選びの一助となれば幸いです。もし、保険について何かご不明な点がございましたらお近くの保険代理店にご相談ください。

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